<都市対抗野球:JR東日本4-2日本生命>◇30日◇1回戦◇東京ドーム

 JR東日本(東京都)の補強選手、東京ガス・木村雄太投手(23=秋田経法大付)が救援登板し、2回4奪三振で勝利投手になった。昨季は西武からの裏金問題で1年間の対外試合禁止処分を受けた。2年ぶりの都市対抗で、日本生命(大阪市)を4-2で破った。

 2年ぶりの全国舞台で、クールな木村が感情を表に出した。1点リードの7回1死一、三塁のピンチで登板。失策で同点に追い付かれたが、最後は2死満塁から空振り三振に切った。雄たけびを上げてガッツポーズ。「久しぶりの都市対抗。楽しんでいた証拠」と笑顔だった。直後に味方打線が2本塁打で勝ち越した。最速は139キロだったが、スライダー、フォークが切れた。2回4奪三振で勝利を呼び込んだ。

 1年間の対外試合禁止処分を受けた昨季、自分の投球を見つめ直した。球速よりコントロールを重視する考えに至った。「謹慎の1年間は自分を見つめ直せるいい時間だった。マイナスになったことは1つもない」。毅然(きぜん)と言える強さを身に付けた。

 高校時代は広島が1巡目指名を表明しながら社会人を選択。06年ドラフトでは横浜からの3巡目指名を拒否した。木村が入団を熱望していたロッテの松本スーパーバイザーは「角度があるからスピード以上に打者は速く感じる。上位候補の力はある」と話した。