<東都大学野球:亜大4-3立正大>◇第1週初日◇5日◇神宮

 「巨クン」が9回3失点で白星発進だ。亜大・東浜巨(なお)投手(1年=沖縄尚学)が139球を投げ抜き、立正大に先勝した。8月上旬に新型インフルエンザに感染し練習不足だったが、粘りの投球で競り勝った。

 クールな東浜が珍しく焦っていた。3点リードの9回、四球の後に三塁打、中前打で2点を返された。「納得いかないです。初めての経験でした。焦ったというか…」とマウンドで動揺した。なお1死二塁のピンチで、生田監督に続投を告げられる。ツーシーム、カットボールで連続三振に切り、感情を爆発させた。

 8月5日からの北海道キャンプで新型インフルエンザに感染した。39度の熱が出て体重は3キロ減り、練習を5日ほど休んだ。同8日にキャンプは中断し、最終的に亜大野球部では73人の感染者が出た。生田監督は「うちでインフルエンザにかかった最後の選手。思うように練習ができなかった」とかばった。オープン戦は2度先発したが、7回が最長。東浜は「最後はスタミナ面が出た」とギリギリの状態だった。

 春は4勝1敗で、44年ぶりに1年春のベストナインに輝いた。その後、日米大学野球選手権、アジア選手権と多忙な日々を送った。つかの間のオフは沖縄に帰郷し、夏の県大会決勝を観戦した。4回には大学初被弾となる左越えソロを浴びた。それでも最後は競り勝ち「あそこで踏ん張れたのは大きい」と言い聞かせた。6季ぶりVへ、苦しんでつかんだ1勝の意味は大きい。【前田祐輔】