<東都大学野球:亜大2-0立正大>◇最終週初日◇26日◇神宮

 亜大・東浜巨(なお)投手(2年=沖縄尚学)が立正大打線を1安打完封し、通算13勝目を挙げた。8回まで許した走者は死球の1人のみ。9回で先頭打者に二塁打されたが、無失点に抑えて先勝した。立正大はエース南昌輝投手(4年=県和歌山商)の好投もむなしく敗戦。27日の2回戦で敗れると勝ち点0で最下位が決定する。

 高校、大学を通じて初というノーヒットノーラン達成まで、あと3人だった。東浜は9回、先頭の立正大・越前一樹外野手(4年=横浜)にカウント2-1から甘く入った直球を痛打され、右翼線への二塁打を許した。「いやあ、詰めが甘いっす。記録よりあそこで打たれたことが悔しい」。無失点に抑えても、納得できない様子で苦笑いした。

 決して好調ではなかった。2週間前の中大戦にピークを合わせたため、「高めに浮いたしフォームもばらばら」。東洋大の優勝が決定した後で、モチベーションの維持は難しかった。それでも、8回までに背負った走者は5回の死球の1人。犠打で三塁まで進まれたが、三振でしのいだ。回を追うごとに増した球速は8回に149キロを記録した。

 入学から3季で、通算13勝目。「春投げるのは今日が最後かもしれないから」と今季の総決算となる力投だった。27日の2回戦に勝利すれば、勝ち点4で2位が決定するが「もし明日負けたら?

 3回戦はもちろん行きます。やるからには全力でないと、相手に失礼ですから」。若きエースの目は、試合後も闘志を失っていなかった。【鎌田良美】