<オリックス1-3ソフトバンク>◇29日◇京セラドーム大阪

小久保ホークスにとって最高の白星スタートとなった。新加入の山川が7回に決勝の1号ソロを中堅右に打ち込み、さらに甲斐の左前適時打で2点差として逃げ切った。4年ぶりに開幕投手を務めた有原も初回に同点とされたものの、6回2/3を投げリードを守って最少失点でバトンをつないだ。2番手松本裕の好救援。藤井-オスナと残り2イニングをしっかり無安打に封じ込んで試合を締めた。文字通り「完勝」と言っていい勝ち方だった。

試合には「流れ」というものがある。ゲームを振り返ってみると、やはり初回に先手を取ったことは大きかったと思う。先頭周東が三ゴロで倒れた直後。2番今宮がしっかり難敵サウスポーを攻略した。3球でカウント1-2と追い込まれた。4球目は真ん中やや外角寄りの直球。キャンプから取り組んできた中堅方向への打撃を忠実に実践。打球がセンターを越えると迷わず二塁を蹴って三塁にヘッドスライディング。今宮にとって3年ぶりとなる三塁打で好機をつくった。「え、三塁打は3年も打ってなかったですか? うまく打ち返せたけど、打撃はまだまだわかりません。でも何とか後ろに回そうと思って」。続く柳田の右犠飛で今宮は先制のホームを踏んだ。

この日はリードオフマン周東が3三振を含む4打数無安打で出塁はなかった。2戦目以降から快足男の奮起には期待したいところだが、それだけに今宮が2番としての役割をきっちりと果たそうという姿は終盤まで見えた。2点をリードした直後の8回。先頭打席で山崎から7球粘って四球を選んだ。得点にこそならなかったものの、役割を今まで以上に理解した打席だった。「最後の打席も四球を取れたし、よかったのかな、とは思います」。今宮は笑顔こそみせなかったが、納得の表情で移動のバスに乗り込んで行った。

チーム唯一のマルチ安打を放った近藤も十分に持ち味を発揮した。山川のソロ本塁打の後に、宮城から8球粘って四球で歩いた。ダメ押しともいえる3点目を呼び込む貴重な打席だったといえるだろう。牧原大、周東、ウォーカーも状態を上げたら…。豪打爆発でなくてもオリックスは脅威を感じたはずだ。【佐竹英治】

オリックス対ソフトバンク 1回表ソフトバンク1死、今宮は右三塁打を放ちヘッドスライディング(撮影・加藤哉)
オリックス対ソフトバンク 1回表ソフトバンク1死、今宮は右三塁打を放ちヘッドスライディング(撮影・加藤哉)
オリックス対ソフトバンク 1回表ソフトバンク1死三塁、柳田の先制右犠飛で生還した今宮(左)を笑顔で迎える小久保監督(撮影・前岡正明)
オリックス対ソフトバンク 1回表ソフトバンク1死三塁、柳田の先制右犠飛で生還した今宮(左)を笑顔で迎える小久保監督(撮影・前岡正明)
オリックス対ソフトバンク 1回表ソフトバンク1死三塁、小久保監督(右)は柳田の右犠飛で生還した三塁走者今宮とタッチ(撮影・加藤哉)
オリックス対ソフトバンク 1回表ソフトバンク1死三塁、小久保監督(右)は柳田の右犠飛で生還した三塁走者今宮とタッチ(撮影・加藤哉)
オリックス対ソフトバンク 1回表ソフトバンク1死、今宮は中三塁打を放つ(撮影・加藤哉)
オリックス対ソフトバンク 1回表ソフトバンク1死、今宮は中三塁打を放つ(撮影・加藤哉)
オリックス対ソフトバンク 1回表ソフトバンク1死、今宮は中三塁打を放つ(撮影・加藤哉)
オリックス対ソフトバンク 1回表ソフトバンク1死、今宮は中三塁打を放つ(撮影・加藤哉)