夏の甲子園は準々決勝が終わり、残すは準決勝2試合と決勝の3試合のみとなった。そこで開幕から全試合をネット裏で観戦したGさんとHさんに、ここまでをふり返ってもらった。

 両氏は首都圏在住。もう5年以上前から春夏の甲子園を全試合欠かさずネット裏から観戦している猛者である。

 まずはベストゲームを選んでもらった。

 Gさん 特にありません。1点差ゲームが多く好ゲームが目立ちました。強いて挙げれば1回戦の敦賀気比-明徳義塾(春夏連覇目指した敦賀気比が0-3から逆転勝ち)でしょうか。

 Hさん 準々決勝の関東第一-興南です(オコエの決勝2ランで関東第一が勝利)。

 確かに今回は接戦が多い。ここまで45試合を消化。1点差ゲームが13試合、2点差ゲームが7試合。2点差以内の接戦が20試合もあった。特に3回戦以降の12試合のうち半分の6試合が2点差以内。1点をめぐる攻防に手に汗を握ったファンも多かったのではないか。

 次に印象に残った投手を挙げてもらった。

 Gさん 東海大相模・小笠原慎之介、秋田商・成田翔、敦賀気比・山崎颯一郎。

 最後に挙げた敦賀気比・山崎は2年生。2回戦の花巻東戦に2番手で登板し2回を打者6人無安打に抑え4三振を奪った。188センチの長身右腕で直球も140キロ台をマーク。今後が楽しみな逸材だ。

 Hさん 東海大相模・小笠原慎之介、吉田凌、仙台育英・佐藤世那、敦賀気比・平沼翔太、秋田商・成田翔、中京大中京・上野翔太郎。

 Gさんとかぶったのは小笠原と成田翔の2人。小笠原は151キロをマーク。成田翔は初戦の龍谷戦で16三振を奪った。

 次に印象に残った野手を挙げてもらった。

 Gさん 九州国際大付・山本武白志三塁手、早実・加藤雅樹捕手、清宮幸太郎一塁手、天理・船曳海外野手、仙台育英・平沢大河遊撃手。

 Hさん 関東第一・オコエ瑠偉外野手、早実・加藤雅樹捕手、清宮幸太郎一塁手、仙台育英・郡司裕也捕手、平沢大河遊撃手、九州国際大付・山本武白志三塁手、東海大相模・磯網栄登一塁手、健大高崎・柘植世那捕手、柴引良介三塁手、天理・船曳海外野手、北海・鎌仲純平外野手。

 2人とも早実・清宮を入れている。話題性だけではなく、しっかりと結果を出していることが評価されているのだろう。

 次に印象に残ったチームを挙げてもらった。

 Gさん 早実。試合ごとに力をつけています。「甲子園は選手を成長させる!」を実践しています。

 Hさん 早実、九州国際大付、関東第一、東海大相模、仙台育英、鳥羽。

 最後に今大会全体を通して印象を聞いた。

 Gさん スター選手が総体的に少なかったものの、好ゲームが多かったと思います。清宮人気が影響し、大会全般を通じて観客が多く盛り上がりました。開門前の異常な客足はここ10数年で最多だと思います。

 清宮のいる早実の試合がすべて午前8時開始の第1試合だったこともあり、当日は午前5時過ぎから入場券を求めるファンでごった返していた。阪神電車も早朝から通勤ラッシュ並みの混雑で満員通知が何度も出された。

 Hさん 本塁でのクロスプレーが例年より多いと思います。打高投低の印象が強いですね。シャットアウトゲームが少ないと思います(ここまで5試合)。それとスコアを付けていて驚いたのが智弁和歌山。エラー7個にはビックリしました。

 オコエをはじめとし強肩外野手が目立った。走塁面では二塁から単打で本塁突入が徹底されているチームが多く、強肩外野手との競争でクロスプレーになるシーンが多く見られた。走塁、外野手の肩に関しては年々レベルが高くなっている印象を確かに受けた。

 残り3試合、どんなドラマが待っているのか。清宮幸太郎、佐藤世那、オコエ瑠偉、小笠原慎之介と役者は揃っている。準決勝も、決勝も満員のファンで埋まるのは間違いなさそうだ。