北のK腕が散った。154キロ左腕、江陵(北北海道)のエース古谷優人(3年)が準決勝で滝川西に1-3で敗れた。

 スタンドへのあいさつを終えると、グラウンドに崩れ落ちた。「ごめんな」。チームメートに謝罪し、敗戦の責任を背負い込んだ。

 本来の力を出し切れなかった。1回、四球と暴投で1死三塁のピンチ。相手3番へのスライダーを右前に運ばれ、先制を許した。この日最速150キロをマークしたが、連投の疲れから下半身に力が入らない。5回には自打球が右足に当たった。それでも6安打、12奪三振、5四死球で3失点と粘った。

 17日の2回戦では自己最速の154キロをマークし、18日の準々決勝では大会最多記録の20奪三振で完封した。プロの注目も集めるが、志望届提出については「監督と相談して決めたい」と慎重だった。甲子園には届かなかったが、記録と記憶に残る左腕の野球人生はこれからだ。