<3月22日センバツ開幕:菊川

 連覇への道(20)>

 常葉学園菊川きってのパワーを持つ中川雅也右翼手(2年)が、1番打者として甲子園に戻る。「1番目に打席が回ってくるし、いいと思う。チャンスで回ってきたら(打点も)狙っていきます」。50メートル6秒4と足が速い方ではないが、思い切りのある走塁センスは抜群。「失敗してもドンドンいきます」。積極走塁が持ち味の常葉菊川。その象徴としても期待が高まる。

 5番左翼手として出場した昨春は打率3割1分3厘と活躍したが、夏は11打数無安打と絶不調に陥った。「人生最悪。僕が全く打てなかったから(準決勝で)負けた」。バットを寝かせていた打撃フォームを、再び立てるよう修正。年明けの紅白戦3試合では16打数6安打と結果を残した。「最近いい感じで振れている。去年の春より完成に近づいている」と自信を持つ。

 音感に優れている。小学校時代、母美駒さんがテレビCMで聞いた曲を鼻歌で歌っていると、中川が家にあるオルガンで弾いて見せた。中学時代には、ピアノ習った経験がないにもかかわらず、合唱コンクールでピアノで伴奏をこなした。高校では大好きなカラオケで90点台を連発している。3安打した18日の紅白戦後「(打球音が)去年は高いド。今日は高いミぐらいかな。よかったですよ」。冗談めかして笑い飛ばした。

 センバツでは、徐々に音を上げていく。「夏から甲子園では地面に当たっていない(全打席で三振か飛球でゴロが0)ので、当ててみたい。どんな感じか忘れちゃいましたよ」。まずは地面に打球が当たる音を聞き、そこから快音を響かせる。【斎藤直樹】