明治神宮野球大会高校の部で初優勝した光星学院の優勝報告会が28日、青森・八戸市の同校体育館で行われた。27日夜に東京から八戸に戻ったナインは、全校生徒約980人の拍手の中を入場。法官新一校長が祝福し、仲井宗基監督(41)と田村龍弘主将(2年)らナイン全員が優勝を報告。田村は「優勝がたまたまと言われないよう、さらに上を目指す」と来年の甲子園へ向け再出発を誓った。

 学校全体が喜びに包まれた。夏の甲子園準優勝に続いて、新チームが神宮大会優勝。生徒教職員がナインに熱い拍手を送った。法官校長は「ひたむきで粘り強い戦いをしていた。精神的にも強くなり、成長を感じた。さらなる活躍を期待する。おめでとう、ご苦労さま」と祝福した。

 仲井監督は報告で、優勝にかけた思いを強調した。「センバツの東北の枠を1校増やすことができた。震災の傷がまだ癒えない中で、何とか東北に明るい明るい話題を提供したかった。それができた」。東日本大震災で、最大の被害を受けた東北地方。八戸市も被災地で、痛みは分かっていた。

 田村は「まさか優勝できるとは思っていなかった。1戦ごとに自信がついた。劣勢でも粘り強く戦ったのがよかった」と振り返る。「センバツに出たらマークされると思うが、その中でも勝つチームが本物。今回の優勝がたまたまと言われないよう、さらに上を目指す」と決意を表した。

 青森県勢としても初優勝となった。東北勢では、93年まで4度優勝の東北(宮城)以来、18年ぶりとなる。全国各地区の優勝校が出場するようになった00年以降では、東北勢初のタイトルだ。夏の甲子園で青森代表は70~80年代、初戦13連敗など、長い低迷の時代があった。今回、光星学院が全国タイトルを手にして“強豪県”として、新たな時代に突入した。甲子園優勝も現実的になったことで、青森はもちろん、東北の高校野球がさらに活性化しそうだ。【北村宏平】