21世紀枠の利府(宮城)が、全力で名門校に挑む。31日、春夏合わせて2度の優勝を誇る早実(東京)との準々決勝に臨む。ナインは30日、大阪・豊中ローズ球場で約2時間の練習。2回戦で、夏2度の全国制覇を誇る強豪・習志野(千葉)をサヨナラ勝ちで破った勢いで、難敵に挑む。

 前ソフトバンク監督で、世界のホームラン王・王貞治らを輩出した早実。利府ナインにとっては、ハンカチ王子こと斎藤佑樹(早大)を擁して全国制覇した06年夏の早実が、記録に新しい。主将の遠藤聖拓捕手(3年)は「レベルが高い相手の方が、思い切ってやれる。胸を借りるつもりで、挑戦者の気持ちで戦いたい」。左腕エース塚本峻大(3年)も「雲の上の存在。なんで戦えるんだろうという感じ。楽しみたいです」と、武者震いを隠せない。

 準備も整った。風邪をひきながら習志野戦で完投した塚本も、この日は平熱に下がった。部員による不祥事がこの日発覚し、選手間には動揺も走った。しかし、チームの役目は勝ち進むことだけ。遠藤主将も「自分たちは試合をやるだけ。気持ちは変わりません」とキッパリ。逆境にめげず、快進撃を続ける。