<高校野球神奈川大会>◇16日◇2回戦

 横浜創学館のスラッガー円垣内(えんがうち)学内野手(3年)が高校通算54号となる2ランを横浜スタジアムにたたき込んだ。光陵戦の2回、豪快に左中間スタンドに運んだ。67号の横浜・筒香(つつごう)嘉智内野手(3年)を猛追する。横浜創学館が15-5で光陵を破った。

 横浜・筒香の名前が注目される中、横浜創学館・円垣内の名前をアピールするにふさわしい豪快な一打だった。2回表2死一塁。その1球は、カウント2-2から、スライダー回転で入ってきた。強振すると、打球は横浜スタジアムの左中間中段で弾んだ。円垣内は「軟投派は苦手だったが2打席目で合わせられた。シンに当たった感じがしなかったので、入って良かった」と、安堵(あんど)の表情を見せた。

 67本と先を行く横浜・筒香を意識している。「筒香を抜くつもりで素振りをしている。でも、彼がいたからここまで頑張れた」と、追い掛けるライバルの存在に感謝した。今春以降これで18本目。量産は、筒香の存在だけでなく、4番を任され、意識が変化したこともある。昨年秋は結果が出せず模索を続けた。本塁打を意識しすぎ、力任せに引っ張る打撃になっていた。そんなとき、先輩からアドバイスをもらい、考えは変わった。「ホームランも意識するけれど、今はチームバッティングが一番大切。体を開かないで、左方向へ流すようにしてきた」。この日の左中間へ当たりもその表れだった。森田誠一監督(44)も変身した4番をたたえた。「意識が変わり、逆方向へも飛ぶようになった。今日の1本も、これまでセカンドゴロだったコース。マークも厳しい中で打てたのは大きい」。

 目指すは甲子園だ。6月中旬に幼少時からかわいがってもらった叔父実さん(享年37)が亡くなった。「おじさんのためにも、そして長崎に住む祖父にプレーをみてもらうためにも、絶対に甲子園にいきたい」。神奈川にいたもう1人のスラッガーが、自らの54号で晴れ舞台に発進した。