【ニューヨーク(ニューヨーク州)23日(日本時間24日)=水次祥子】ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(47)が、右肘靱帯(じんたい)部分断裂で治療中の田中将大投手(25)について、回復が期待したより良好ではない見解を示した。スポーツ専門局ESPNのラジオ番組に出演し「良くはなっているが、まだ肘に痛みがある。日ごとに痛みは薄れているのは朗報だが、今の段階でまだ痛みが残るのは良い状態ではない」と明かした。

 田中は14日に「PRP」といわれる注射治療を受け、10日が経過した。当初から3週間はノースローとされ、今後のリハビリプログラムは変更ない模様。同GMは「まだ何かを判断するには早すぎる」としたが、9月のメジャー復帰へ不安をのぞかせた。

 患部の部分断裂が発覚した直後にトミー・ジョン手術を受け、来年の球宴明けの復帰を目指す手段もあった。だが同GMは「この手術は多くの投手が成功しているが、術後に元の投球ができなくなった投手もいる。田中が元通りになる保証がない」と説明。またダルビッシュが提唱した先発6人制ローテーションについては「その意見を否定はできない。登板後のリカバリー期間が増えることは良いこと」と賛同した。

 田中はこの日、いつも通り治療などを行い、試合が始まると黒田と一緒にベンチの最前列でダルビッシュの投球を見守った。チームは28日から遠征に出るが、その間、本拠地に1人残り治療に専念する可能性が高そうだ。