超人が自然体で「お得意様」を攻略する。オリックス糸井嘉男外野手(33)が開幕目前にマイペースぶりを発揮した。25日、チームとともに西武プリンスドームで調整。明日27日の開幕戦で、相手の開幕投手は故障離脱した岸に代わって牧田が濃厚。だが糸井は「(開幕戦は)岸でしょ?」とつぶやいた。

 開幕2日前だけに、情報はインプットされているはず。ところが「どこを故障したの?」と重ねた。左脇腹の負傷と聞かされても「いや、岸でしょ?」。ジョークなのか真剣なのか…。とにかく、今季から新主将となっても緊張などどこ吹く風と言った具合だ。

 そんなマイペースな糸井は、牧田にめっぽう強い。オリックス移籍後の過去2年間は通算33打数16安打、打率4割8分5厘。かもにしてきたことを聞いても「そうなんや…」と、これも意に介さない様子だ。

 練習前の円陣では「T!」とT-岡田を指名。公表した結婚をナインに報告させ、祝福ムードで一体感を作り出した。調整は順調。オープン戦は3戦連続安打で締めた。開幕戦は昨年もほぼ定位置だった「3番右翼」が濃厚だ。「去年から(打撃で)変えたところはないよ」。昨季は初の首位打者に輝いた超人。今年もその大きな人間の器で、優勝候補の呼び声高い巨大戦力を引っ張る。