“内弁慶克服”を自ら証明した。ロッテ石川歩投手(27)が日本ハム打線を7回3安打1失点。終盤まで援護がなかったが「メンドーサも非常に良かった。先に点をあげてしまったけど、味方が取ってくれました」と我慢が実った。右手親指から上腕が張り、7回限りで降板も問題なし。負けなしの2勝目を手にした。

 打者が見えていた。6回、先頭西川に三塁打を打たれた。続く田中を2-2と追い込み、シンカーで二ゴロに打ち取った。「(田中)賢介さんは、直球が頭にありながらシンカーを打ちにきたので打ち取れたのでは。1回の三振が効いたかな」と分析した。その1回は、直球で空振り三振を奪っている。「シンカーを張っていたから、直球に合わなかった」と見た。

 相手の狙いを翻弄(ほんろう)した。「吉田がよく配球を考えてくれた」と女房役を持ち上げたが、「あれ? と思うリードは、ほとんどなかった」と息も合っていた。これも、2年目で進歩した点。「相手の頭にない球を投げる。向こうが考えてきてくれる。去年はシンカーか、真っすぐかと思われていたでしょうけど」。キャンプで重点的に取り組んだカーブでも、効果的にカウントを稼いだ。

 2勝目は、今季初のビジターでの白星となった。昨季は新人ながらチームトップの10勝。ただ、9勝が本拠地QVCマリンで、ビジターでは1勝しかできなかった。特に、ドーム球場は、1勝5敗で防御率4・42。圧迫感のあるドームが社会人の時から苦手だった。今年は、苦手意識はもうないと宣言していた。言葉どおり、札幌ドームで好投も「(1勝目の)最初の試合は打線に助けてもらったのが大きい。ついてます」と感謝を忘れない。札幌入りした前日は、伊東監督主催でチーム全員の食事会が開かれた。投手、野手で助け合い、一致団結の2連勝。貯金2で、2位に浮上だ。その立役者に、石川がいた。【古川真弥】