雨天で延期されていた試合が開かれ、常葉大富士は静岡大に競り勝って今季初勝ち点を奪った。これまで不動の4番だった清明聖(4年)が3番に入ると、決勝打を含む3安打3打点と大活躍だった。

 2-2の同点で迎えた7回裏2死二塁で、常葉大富士の清が打席に立った。初球空振りからの2球目を右前に運んだ。「敬遠もあるかなと思ったけど、自分がかえすつもりで初球からいった。前日からいい感覚でバットが振れていたのでなんとか貢献したかった」との気持ちが自らのバットに伝わった一打だった。

 増田達樹監督(34)による大胆策が実った。ここまで全7試合で4番だった清は3番に配置転換。1点を追う5回に同点二塁打を放つなど、良い場面で打順が回ってきた。同監督は「打線のつながりを考えて。打てなければ監督の責任です」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 昨年は春秋とも勝ち点は1のみだった。今年は打力アップを狙い、キャンプは例年の2倍のメニューを消化。「去年はかみあってなかった」と貧打を振り返る清は、勝負どころの打撃に備え「振り込みました」。最上級生の気合が、勝ち点ゲットにつながった。

 この日の最後を締めた中村拓海投手ら1年生が多数入部し、チームも活気づく。清は「投手陣も厚くなって、上級生にいい刺激になっている」と分析。今週末は東海大海洋学部との試合を控える。清は「できるだけ高い順位でいきたい」と中軸の働きをすることを誓った。【加納慎也】