愛のムチだ。日本ハム栗山英樹監督(54)が25日、停滞する「二刀流」を痛烈に口撃した。今日26日から、上位争いするライバル西武と3連戦(西武プリンスドーム)。前夜ロッテ戦で完封で9勝目を挙げた大谷翔平投手(20)の打者としての起用法に言及した。3連戦に先発出場可能だが、保留。「あの打撃じゃあね。考えます」と突き放し、厳しい批評のオンパレード。カンフル剤としてDH起用を一時凍結する構想まで示唆した。

 激しく尻をたたいた。栗山監督が期待の裏返しで、言葉責めにした。ターゲットは「打者・大谷」だ。完封劇で今季最長の連敗を5で止め、一夜明け。西武戦に備えて東京入りする直前の新千歳空港でこの日、マシンガン口撃を開始した。

 栗山監督 あの打撃じゃあね。考えます。数字を現実的モノとして捉えた方が良い。もう(公式戦)半分まできているんだから。

 沈滞する一面、バットマンとしての嘆きだった。大谷は今季、打率1割7分5厘3本塁打と低迷。昨季に続き中軸で、DHを最優先で登用してきたがスランプが続く。6月は11試合で1割4分3厘。80打数で、既に今季の月間最多15三振。深刻度が増してきた。

 今後、ペナント争いが本格化していく。指揮官は信念を根拠に再度、責めた。

 栗山監督 (大谷が投打)2つやるために、やっているんじゃない。チームが勝つためにやっている。

 昨季11本塁打を放ち、対戦相手の投手が警戒度が増している今季。出塁率も1割9分3厘にどとまっている。上位争いで失速できない現状のチーム状況も「打者・大谷」を一時、見直す理由になったようだ。

 どう動くのか。揺るがないのは「打者・大谷」のポテンシャルは、チーム内で最高位。先発から外せば、打線は迫力ダウン必至だ。西武3連戦の相手先発は岸と十亀の右腕2枚に花巻東の先輩、菊池の予想。栗山監督は「明日は打つでしょう」と、祈りを込めるように予言した。前提は今3連戦でフルにDH起用の方針だが、批評の数々が予断を許さない現状の表れだ。

 大谷 打撃練習では悪くないし、むしろいいです。試合に入るとギャップがある。いかにそこを埋められるか、ですね。

 プライドをくすぐる。本能を揺さぶるように、我慢の起用を続ける。熱すぎる指揮官に、応える時が来た。【高山通史】