実りの秋に向け、じっくり備えていく。巨人は3日、ジャイアンツ球場で野手陣が約2時間の打撃練習を行った。予定では今日4日からの中日2連戦のために名古屋へ移動するだけだったが、貧打を解消すべく2日の広島戦後に練習後の移動に変更。原辰徳監督(56)は「明日のための、その1ですね」と簡潔に理由を述べた。

 室内練習場には熱気が充満した。室内では1人10分の打撃練習に加え、納得いくまでの打ち込みを許された。10分を超えてもバットを振っていた村田は「芯に当てることを意識した。今日は良かった」と、気持ちよさそうに汗をぬぐった。現状を打破しようと、各人がもがいていた。

 その姿を、原監督はどっしり座って見守った。「収穫は10月ぐらい。実りの秋に向けて、今は一生懸命に耕して、栄養を送っているところです」。一気にクリアできるほど、打撃は簡単なものではない。短い時間を有効に使って技術を上げていくことが、リーグ4連覇への最善策になる。

 練習後、坂本は「選手が何とかやるしかない。いい練習ができたんじゃないですか」と言えば、原監督から助言を受けた亀井も「こういう状況だし、みんなでカバーしていかないと」。ひと汗かき、引き締まった表情で移動日練習を打ち上げた。【浜本卓也】