獅子のヒットメーカーが、また歴史を塗り替えた。西武秋山翔吾外野手(27)が球団新記録となる24試合連続安打をマーク。この日もヒットを刻んだ。2回2死一、二塁。ロッテ唐川の高めの直球を適時打でライト前に運んだ。86年の石毛宏典、99年の松井稼頭央(現楽天)の球団記録を超えた。「何を更新しても、そこはゴールじゃない。でもライオンズの尊敬する先輩を1つ超えられたのは、うれしいこと。恐縮する部分もある」と冷静に話した。

 だが悔しさも上回った。「最後の1本です」。延長12回2死一、二塁で、フルカウントから甘く入ったスライダーを仕留め損ねて、一ゴロで最後の打者になった。福岡から4時間をかけての移動試合。さらに森が前日2日のソフトバンク戦で左ひざを痛めて今季初のスタメン落ち、サヨナラ負けを喫した高橋朋が下半身の違和感とみられる理由で登板できなかった。苦境を、サヨナラ勝ちを呼び込む一打で切り開きたかった。

 だが周囲は祝福ムードに包まれた。スタンドにはシーズン安打数をカウントするイチローの有名な「イチメーター」ならぬ「アキメーター」が登場した。首位打者を堅持し、シーズン238安打ペースと戦いは続く。「明日も(出塁を)続けていきたい」。勝利とヒットの二兎(にと)を追う。【広重竜太郎】