勝負の秋に向け、進化を証明した。巨人菅野智之投手(25)が、8回無失点の好投でサヨナラ勝利を呼び込んだ。本調子ではなくても、要所を締める投球でゲームメーク。9回、リリーフ陣が追いつかれ、9勝目は消えたが、仲間と勝利を分かち合った。「うれしいですね、チームが勝つのは。リーグ戦が終わった時、あの1勝は大きかった、となると思います」と重みをかみしめた。

 勝負勘と多彩な引き出しでピンチを脱出した。5回以降、常に得点圏に走者を背負った。7回2死二塁は代打ロペスをスライダーで見逃し三振。8回1死一、二塁には「真っすぐを待ってると思った」と筒香からカーブで併殺打を奪った。直球、フォーク、カットボール、シュートの選択肢の中から、打者の反応、データを照らし合わせた上で勝負球を選択した。

 6月は未勝利も夏本番、無双状態に入った。7月は3戦2勝と負けなし。中5日での起用にも結果で応えた。原監督は「ナイスピッチング。粘り強く投げてくれた。うちのエース格の投手。そう簡単に日数を空ける必要があるのかな、というところ。中5日ぐらいどんと来い、という風に見えた」とたたえた。【久保賢吾】