ロッテ伊東勤監督(52)は、勝って良し、とはしなかった。オリックスに4時間半を超す打ち合いで競り勝ったが、開口一番「最低の試合だったな」。7月3日以来の貯金1にも、喜べなかった。まずは「先発が試合を作れないとこうなる」と、3回途中降板の古谷に向いた。5四球を出した。3回は先頭糸井に四球を与え、続く中島の初球に同点を許す2ランを打たれた。ベテランらしからぬ内容だった。

 負の連鎖は続く。2番手香月良は0でつないだが、6回にロサと藤岡で3失点。さらに、7回は益田が2死から1失点で、4点リードをはき出した。7回裏にいったん勝ち越すも、8回は大谷が先頭糸井に同点ソロを許す。最後は相手の失策にも助けられ寄り切ったが、後味が悪すぎた。

 伊東監督は「負けなくて良かったが」と前置きした後、一気に続けた。「ひどすぎる。不安の残る勝ち方。攻撃もミス。投手もミス」。常に完璧な継投はないとしても、この日は四球がらみ、2死無走者から、先頭の1発など、失点を防ぐ余地はあった。残りまだ50試合近く。結果オーライは第4コーナーを回ってからでいい。2連勝で、2位日本ハムに4・5ゲーム差。さらに浮上の望みはある。今日からは、指揮官自ら「王者というか、鉄壁の投手陣」と認めるソフトバンクが相手。同じ戦い方は通じない。【古川真弥】