日本ハム斎藤佑樹投手(27)が、4月17日楽天戦(コボスタ宮城)以来となる先発マウンドで今季初勝利を狙ったが、5回2失点でリードを許したままマウンドを降りた。
打線が6回に追いつき、勝ち負けなし。同日に母校の早実が勝利していたが、W勝利とはならなかった。
試合は同点の延長10回に、代打大谷のサヨナラ打で勝利した。
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
楽 天 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 |
日本ハム | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1X | 4 |
【1回表】
斎藤は落ち着いた様子でマウンドに上がる。
- 1回表、マウンドに向かう斎藤(撮影・黒川智章)
1番 榎本 初球は外角へ141キロの直球で空振りを奪う。カウント2-2から、131キロのスライダーを打たせ二ゴロに打ち取る。
2番 藤田 フルカウントから、低めへの直球で二ゴロに打ち取る。
3番 松井稼 フルカウントから、外角への141キロ直球でレフトファウルフライに打ち取り、3者凡退。
【1回裏】
日本ハム打線も楽天先発菊池の前に3者凡退。
【2回表】
4番 ペーニャ 2ナッシングから外角低め、ワンバウンドするフォークで空振り三振。
5番 枡田 内角低め直球で中飛に打ち取る。
6番 嶋 フルカウントから右前へライナー性のヒット。
7番 聖沢 外角高めの直球をうまく流し打たれて、レフト線へ二塁打。嶋は三塁へ。
8番 阿部 フルカウントから、ピッチャー返しの強いゴロに反応したが、捕球できず。弾いて弱まった打球を二塁田中が捕ったが、送球できず内野安打で先制点を献上。なおも走者は一、三塁。
- 2回表楽天2死二、三塁、斎藤は阿部に適時打を浴びる(撮影・井上学)
9番 山崎 二ゴロに打ち取り、追加点は許さず。
【2回裏】
1死から近藤が四球で出塁。2死となり、近藤が飛び出し捕手からけん制が投じられたが、機転を利かし二塁へ進塁。2死二塁となり、7番石川が右前へタイムリーですぐさま同点に追いつく。石川は送球間に二塁を狙ったが、タッチアウト。
【3回表】
1番 榎本 3球目外角低め直球で二ゴロ。
2番 藤田 外角直球を打たせレフトフライ。
3番 松井稼 遊ゴロに打ち取り、この回わずか8球で3者凡退。味方が追いついた直後の回にテンポのいい投球でリズムを作る。
【3回裏】
先頭の大野が四球。西川が犠打で送り1死二塁。陽が投ゴロで走者が入れ替わり2死二塁。中島が左前打でつなぎ一、三塁。しかし田中が右飛に倒れ無得点。
厚沢投手コーチのコメント
(3回までの斎藤の投球に)昨日(7日)の吉川と同様、まっすぐをしっかり投げられている。有利なカウントで勝負できているし、ファウルの取り方などを見たら相手は球速以上に感じているんじゃないかな。先のことを考えず、ひとり一人に集中して投げてほしい。
【4回表】
4番 ペーニャ 2球目、真ん中付近へ甘く入ったストレートを左翼席へ特大のソロホームラン。再び勝ち越される。
- 4回表楽天無死、斎藤から左越えに本塁打を放つペーニャ(撮影・井上学)
5番 枡田 内角低めへのスライダーで一ゴロに打ち取る。
6番 嶋 フルカウントから、フォークが低めへ外れこの日初めてのフォアボール。
7番 聖沢 カウント1-2から、内角低めへのスライダーで空振り三振を奪ったが、その間に嶋が二盗成功。
8番 阿部 インコーススライダーで空振り三振。キャッチャー大野が捕球できず、振り逃げかと思われたが空振り後ボールが体に当たったと判断されそのままチェンジに。
【4回裏】
1死から近藤が四球。2死から盗塁を試みるも、失敗し無得点。
【5回表】
9番 山崎 フルカウントから、三塁ゴロに打ち取る。
1番 榎本 高めスライダーを打たせ、中飛。
2番 藤田 外角への直球にうまく合わされ、三遊間を破る左前ヒット。
ここで厚沢コーチがマウンドに。ゲキを飛ばされ、尻を叩かれて松井稼を迎える。
3番 松井稼 直球で左フライに打ち取る。
- 5回を投げ終えた斎藤(中央)はベンチに戻る。左端は中田、右端は栗山監督(撮影・井上学)
【5回裏】
3者凡退で無得点。
【6回表】
2番手谷本が登板。斎藤は5回を投げ球数86球。5安打2失点と粘投を見せたが、リードを許して降板した。
斎藤のコメント
「きょうは勝ちたかったですね。チームは昨日連敗ストップとなって良い勝ち方をしていたので、この流れで勝ちを付けたかった思いはありました。やっぱり、ペーニャに対しての1球ですね。同点に追いついてくれた後、絶対に次の点を許してはいけない場面でしたし、あの投球は少しコントロールしにいってしまった感じがあります。良くなかったところは反省して、また次に向けて準備をしていきたいと思います。最後までしっかり応援します」
- 日本ハム先発の斎藤(撮影・黒川智章)
試合前の様子
栗山監督は斎藤に「(斎藤に)何も言うことはない。あいつが一番分かっている。こういうチーム状況で呼んだわけだし」と期待を寄せた。
楽天のシートノックが終わり、グラウンド整備が始まった午後5時23分、スタメンが発表され、「投手、斎藤佑樹」のアナウンスにスタンドが沸く。
午後5時30分、三塁ベンチ前に斎藤が姿を見せる。ブルペン捕手を相手にキャッチボール。状態を確かめるように1球1球、ていねいに投じる。表情はやや硬い。
徐々に距離を取り、遠投。その後、再び塁間ほどのキャッチボールに戻る。午後5時38分に終了し、再びベンチへ姿を消す。グラウンドでは、「高校野球100年」の特別企画として、06年夏の甲子園で斎藤と決勝再試合の死闘を演じた駒大苫小牧のブラスバンドによる演奏が始まる。
- 復刻ユニホームで踊るファイターズガール(撮影・井上学)
夏の甲子園:1回戦・早実6-0今治西
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
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今治西 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
早 実 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | X | 6 |
- 今治西対早実 ベンチ前で赤いタオルを使って汗をぬぐう早実・清宮(撮影・江口和貴)
早実・清宮幸太郎内野手(1年)が、甲子園デビュー。初戦の今治西(愛媛)戦に「3番一塁」で先発出場。4打数1安打1打点1死球だった第4打席で甲子園初安打初打点をマークするなどチームは6-0で快勝し2回戦進出を決めた。