4番が打てば打線はつながる! 阪神マウロ・ゴメス内野手(30)が終盤に2安打を放ち、8回以降2イニングでの7得点を呼んだ。10点ビハインドの8回無死一塁、右腕古野から中前に運び、この回4安打3得点をお膳立て。7点を追う9回1死一、三塁からは左腕久古の低めスライダーをすくいあげ、中堅越えのタイムリーで最終回の4得点に導いた。

 ゴメス 負けてしまって、もちろんいい気分ではない。でも、この勢いを続けていけたらと思う。今日の負けはいい意味で忘れて、また次の試合も頑張るよ。

 大反撃の直後、興奮冷めやらぬ表情で力を込めた。前日29日ヤクルト戦はここ10試合で6度目のノーヒット。この日も右腕館山に対し、3回2死二塁で中飛、5回2死一、二塁では二ゴロに打ち取られていた。結果的に1敗という事実に変わりはないが、主砲の上昇ムードは勝負の9月に向けての光でもある。

 試合前練習中には室内練習場の端、マシンを打ち込む場所で和田監督、オマリー打撃コーチ補佐と状態修正を図った。ティー打撃を終え、左腕設定のカーブマシンを相手にした時だ。指揮官がチームスタッフに右腕設定への変更を指示した。館山対策に加え、手を出しがちな右投手の外角変化球という弱点を克服する狙いもあったのだろう。

 古野からの中前打は外角スライダーをたたいたモノ。「ここ何試合か苦しんでいた選手が、ゴメスを含めてヒットが出ている。いい形のヒットが出ているし、上昇のきっかけにしてほしい」。指揮官の期待通り、今度こそ完全復調といきたいところだ。【佐井陽介】