131試合目の開幕戦だ。球団から進退一任されているソフトバンク松中信彦内野手(41)が今日21日の日本ハム戦(札幌ドーム)で今季初めて1軍昇格する。20日、西戸崎合宿所で調整した松中は、遠征用の荷物を持ち込むためにヤフオクドームを訪れた。偶然すれ違った王球団会長とがっちり握手した。

 松中は「ここまで待ってくれていたファンのためにも元気な姿を見せたい。結果が出ればいいが、自分らしい打撃ができれば。準備はできている。やってきたことを出すだけ」と気合十分。前日19日に自身の公式ブログで「一軍合流」とフライング気味? にファンへ報告するほど、待ち望んでいた1軍の舞台だ。

 2軍で77試合に出場。打率2割9分9厘、11本、38打点と数字を残してきた。この日の試合前に工藤監督は「松中は明日から上げるよ」と昇格を明言。ただ実績十分なベテランにも特別扱いはしない。「上げるからには戦力として出てもらう。代打か指名打者として。(左肩痛で)守れないし(練習で)みんなが守っている時は、外野でランニングだよ。遊びに来るのではない。あの人だけ特別というのは違う」と話した。

 守りも走りもできなければ工藤監督は基本的に使わない。左の長谷川も戻ってきた中、松中の置かれている立場は厳しい。工藤監督は「ボコボコッと打ったらCSも置いておきましょうと打撃コーチが言うかもしれない」。札幌、千葉の遠征で結果を残せば、28日から再び本拠地に戻る。ファンのためにも、自身の野球人生のためにも、結果を残すしかない。【石橋隆雄】