阪神和田豊監督(53)の今季限りでの退任が確実となり次期監督はOBを中心に選定される方針であることが25日、分かった。有力候補として金本知憲氏(47)、岡田彰布氏(57)らが挙がっている。また、現コーチ陣が大刷新される方針も判明した。

 優勝が絶望的となり、大失速した猛虎が大改革される。契約最終年の和田監督が今季限りで退任することが確実となった。

 この日、坂井オーナーは大阪市内の電鉄本社で報道陣に対応し、監督去就について「何も話すことはないよ。退任? 誰が言ったんですか? 勝手に書いているのでは?」と話し、そういう事実がないのかと問われると「ノーコメント。知りません」とだけ話した。南球団社長も「監督人事について今、話すことは何もありません」とだけ話した。あくまで電鉄本社、球団、両トップとも順位が確定するまで見守る姿勢を示した。

 だが、3年連続でシーズン終盤に急失速したチームの改革は待ったなしだ。水面下では和田監督の退任を前提に、後任の選定に着手していくことが判明。次期監督選定の方針は、OBを中心に行われることが分かった。その有力候補として挙げられるのが金本氏、岡田氏だ。金本氏は03年、05年リーグ優勝時の主砲で現役時代の実績や、ファンからの人気、チーム内の信頼度ともに抜群。和田監督の去就が微妙だった昨年オフにも監督候補に挙がっていた。また、岡田氏は85年日本一の主力メンバーで、監督としても05年にリーグ優勝した実績がある。

 さらには金本氏と同じくリーグ優勝に大貢献した矢野氏、内部昇格、外部招請などの選択肢も検討しているが、新監督選定は金本氏を中心に進められることになりそうだ。

 9月まで優勝争いを演じながら、最終盤の勝負どころとなった12連戦で大失速。それが和田監督退任の決定打となったが、コーチ陣の大幅な刷新も避けられない。球団幹部は「それは仕方がないだろう」と話しており、和田政権を支えてきた現コーチ陣の大幅入れ替えも決定的だ。CS圏内である3位にこそいるが、順位以上に失望感は大きい。助っ人もマートンの今季限りの退団が濃厚であることが分かった。和田政権の終わりとともに虎に大改革が訪れる。