大谷攻略のカギは初回にあり。ロッテは9日、敵地・札幌ドームで全体練習を行った。今日の日本ハム先発は大谷。今季3戦1勝2敗、防御率1・13と苦にしたが、伊東勤監督(53)は明快な指針を示した。「先手必勝は間違いない。初回の攻防を大事にしたい。先頭の荻野が塁に出れば動かせる」。1番に俊足巧打の荻野。2番は、左手薬指、小指骨折が癒え、この日合流した角中勝也外野手(28)を置く。そして、3番にチームトップ打率の清田。選び抜いた3人で出はなをたたく。

 好例がある。9月2日の対戦だ。初回、先頭荻野が四球。続く角中が2ランを放った。大谷の不安定な立ち上がりに2得点で主導権を握ると、6回7安打3得点。それまで、2完封にやられていた好投手に今季初めて土をつけた。展開を再現できれば、有利に進められる。

 「先手必勝」が打線としての戦略なら、各打者の個別の戦術は「好球必打」だ。伊東監督は「今年は変化球の精度が上がっている。先に追い込まれたらチャンスはない。ストライクを打っていかないと。直球を狙う」と宣言した。150キロ超の球威に負けないスイングで、出塁を図る。

 角中は「良い投手であるのは間違いない。こっちは3位。開き直れる」と言った。離脱中はフカヒレなどでコラーゲンをたっぷり取り、早期復帰に努めた。大谷攻略を、CS突破の一里塚とする。【古川真弥】