自炊でプロの体を目指す。ロッテのドラフト5位、専大松戸・原嵩投手(17)が2日、千葉・松戸の同校で指名あいさつを受けた。今夏甲子園でも投げた右腕は「食生活を見直して、体を作り直しています」と明かした。低脂肪、高タンパク質を心がけ、野菜は多め。ウエートや柔軟も増やした。高校野球を引退した今夏から4キロ増の85キロとなった。目標は90キロだ。自ら包丁を握り、ササミのサラダなどを作っている。

 事情がある。昨年7月に母昭子さん(享年50)をがんで亡くした。夏の大会までは父康二さん(55)や姉が家事でサポートしてくれたが、「高校野球が終わって時間ができた。休みの日は自分で作るようにしています」。昭子さんの料理姿も思い出しながら、台所に立っている。

 プロは昭子さんの夢でもあった。ドラフトの夜、仏壇に報告した。ロッテでは、母子家庭だった益田がひとり親家庭の支援活動を続けている。そのことを聞いた原は「積極的にやっていこうと思います」と、社会貢献活動への意欲も口にした。「小さい子どもや野球ファンに夢を与えられる投手になって、チームに一番貢献できる選手になりたいです」と、とびっきりの笑顔で言った。【古川真弥】