則本昂大投手(24)が勝利への流れを引き寄せた。1点を追う5回から2番手で登板。「相手の流れを切りたかった。それはできたと思う」と、1番からの米国打線をわずか9球で3者凡退。直後の逆転劇につなげた。

 楽天では先発の軸を務めるも、今大会はブルペンを託される。先発菅野が4回で降板したが「驚いたけど準備はしていたので、問題なく試合に入れました」と、不慣れな調整にも動じることはない。8日韓国戦では大谷の後を受け2回を無失点。完封リレーを演出した。この日はビハインドでマウンドに上がり、打線にリズムを呼び込んだ。

 小久保監督は「先発のいい流れをつないでくれるのも、流れを変えてくれるのも則本。フル回転してほしいと、伝えています」と全幅の信頼を置く。抑えを除く中継ぎ専門がいない中で重責を担う右腕。「いつでも(マウンドに上がる)、という気持ちを持っている。与えられた場面で全力で投げるだけです」と力強かった。【佐竹実】