けじめの1日だった。ロッテからFA宣言した今江敏晃内野手(32)が22日、QVCマリンで行われたファン感謝デーに参加した。「千葉ロッテマリーンズの今江敏晃としては、最後の日。たくさんの方に声をかけていただき、楽しく、うれしい1日でした」。写真撮影会、キャッチボール、運動会、サイン会などでファンとたっぷり触れ合い、しんみりと振り返った。

 宣言残留は認められておらず、退団は決まっている。だが、去就に関する質問には「今日はマリーンズの一員としてユニホームを着たので」と、コメントは控えた。近日中にも、既に交渉を持った楽天への移籍を表明するとみられるが、家族連れでにぎわった日曜日を、あくまで「ロッテ今江」として過ごした。

 自ら退団を選んだ身。参加すべきか、迷ったという。最後は「15年シーズンのファン感。僕も15年にプレーさせてもらったので」と参加を決めた。グラウンドからの去り際、スタンドから「今江!」と叫ぶ声が続いた。両手を振って深々と一礼した。「うれしい気持ちと、悲しい気持ちが入り交じった。僕は後戻りできない。新天地でやっている姿を見せられるように頑張りたい」。そう話す顔に、晴れやかな笑みはなかった。ロッテで過ごした14年間の重さを受け止めているようだった。【古川真弥】