日本ハム武田久投手(37)が2日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2年連続の大幅減俸となる1800万円プラス出来高払い(推定)でサインした。今季は両膝を手術し、1軍登板なし。球団史上最大1億6000万円減だった昨オフと合わせ、2年間で2億2200万円ダウンにも「また来年もできる。感謝しかない」と前を向いた。

 日本ハム武田久が、言葉に決意を込めた。「2回も手術して、また来年もできる。感謝しかない」。2年連続の大幅減俸となる1800万円プラス出来高払いでサイン。球団史上最大減俸だった昨オフの契約と合わせ、2年間で2億2200万円のダウンとなったが「自分のためだけじゃない。球団の人、リハビリに携わっていただいてる人、いろんな人の思いを感じながら、もう1度1軍のマウンドに立ちたいです」と、強い意気込みを口にした。

 今季は3月に左膝、8月に右膝を手術した。プロ入り後、初めて1軍登板がないままシーズンを終えた。2度目の手術の際には進退も覚悟したが、球団からは「もちろん来年も頑張ってもらう」と声を掛けられた。「そう言われてなければやめていたかもしれない。ファンの方にも声を掛けてもらって、励まされたりした。少しでも頑張ることによって、喜んでもらえたら。恩返しがしたい」。周囲への恩義が、通算167セーブの鉄腕をリハビリへと突き動かす。

 現在も走ることはできず、軽めのキャッチボールを行う程度。「走れるようになれば、やれることも増えていく。(キャンプインの)2月1日に(チームの)全体メニューに入れて、ピッチングもできることを目指しています」。必ず、札幌ドームのマウンドに帰ってくる。【本間翼】

 ◆年俸大幅ダウン 武田久が78%ダウンで契約更改した。他球団へ移籍した選手を除くと減給率は歴代6位。前年と同一球団所属でも、自由契約後に再契約した07年坪井(日本ハム)のケースを除けば、減給率は球団ワーストとなる。武田久は昨年11月5日の更改でも2億4000万円→8000万円と球団史上最大の減給額1億6000万円となり、減給率67%だった。