巨人がロッテを退団したルイス・クルーズ内野手(31)の獲得に乗り出すことが8日、明らかになった。シーズン終了後にメキシコに帰国しているクルーズと、近日中に交渉を行い、年内の合意を目指す。

 調査を続けてきたクルーズ獲得に、本腰を入れる方針が固まった。クルーズはロッテの主力として14年から2年間プレー。内野ならどこでも守れる万能型だが、巨人は「安定感のある打力」にも着目した。ここ2年間の通算成績は出場259試合で打率2割4分7厘と、高くない。だが、打点や殊勲安打は、阿部や長野らを上回った。今シーズンの巨人は各打者の好不調の波が大きく、打撃不振を招いてリーグ4連覇を逃した。ムラが少なく勝負強い打撃は、課題の打線に好影響をもたらす期待が高い。

 加えて、高い守備力も魅力だ。高橋監督はディフェンスの重要性も認識している。クルーズは今季、二塁手としてゴールデングラブ賞を受賞。ロッテ時代は内野全ポジションをこなしており、片岡や村田らの刺激になり、遊撃手坂本のバックアップも可能だ。球団は内野手の競争がチームの底上げには必要不可欠との考えを持っており、西武からFAで脇谷も獲得。内野の定位置争いの激化は必至で、チーム強化の戦略にも合致する。

 来季の外国人は、投手はマイコラス、ポレダ、マシソン、野手はアンダーソンの残留が決まっている。クルーズに加え、強打の新外国人獲得に向けて検討も重ねている。高橋新監督の下、強い巨人を取り戻すための準備は着々と進んでいる。