横田よ! ハーレーになれ! 阪神掛布雅之2軍監督(60)が20日、期待の若虎にユニークな指令を出した。この日、神戸市内にオープンした「ハーレーダビッドソン ライダーズクロス神戸港島」の記念式典に出席。自身も現役引退後、58年製の貴重なモデルなど5台を乗り継いだハーレー好きならではの珍指令? だ。

 「1800ccぐらいの排気量でガンガン走る。ハーレーみたいな、そんな打者になってほしい。ハーレーは米国製だけど野球は輸入ばかりに頼っているわけにはいかん。ハーレーのような和製大砲が必要だ」

 110年以上の歴史を誇り、いまなおモーターサイクルの王様という風格を持つハーレー。もちろん走りも性能もいい。そこに倣い、守って走れて、さらに周囲を威圧する長打力を兼ね備える。2軍監督として、そんな打者を育てたいという掛布氏の理想だ。

 理想だけではなく本塁打の極意も明かした。大事なのは選球眼とバランスのいいスイングと強調する。

 「王(貞治)さんにもよく言われたけど本塁打にできる球は多くない。球の見極めと“これだ”と振る決断力。40本打っても2割5分じゃダメ。3割ぐらいの打率も残さないと。王さんにしてもバースにしても四球を多く選んでいたからできたんだよ」

 横田、陽川、そして江越の3選手を中心として若手に期待を掛ける掛布氏、1軍生き残りのタイミングを来年3月前半に甲子園球場で行われるオープン戦6試合に設定。「そこが勝負だ」。本拠でのシーズン前哨戦でハーレー並みの豪快なサウンドをとどろかせる若虎が出てくるか。【編集委員・高原寿夫】