理想型にまた1歩、近づいた。阪神藤浪晋太郎投手(21)が10日、今年初めて鳴尾浜で練習に励んだ。すでに体重が自己最重量の95キロに達していることを明かした。オフはウエートトレーニング中心の体作りに専念。筋肉だけで体重増に成功した。2月のキャンプインまでさらなるスケールアップを目指す。

 体重計の表示は、4年目の飛躍を約束していた。藤浪の体は自身の想像を超えるスピードでスケールアップしていた。鳴尾浜で練習を終えた右腕は、鍛え上げた体の変化について語った。

 藤浪 体重は日によっても違うけど、だいたい95キロくらいです。(2月1日の)キャンプインは96、97キロくらいで迎えたいですね。キャンプに入ったら多少痩せることも考えないといけない。

 球団発表で88キロだった昨年も実際は92~93キロをキープしながら1年を過ごした。秋には「95キロで春のキャンプを迎えたい」と発言。だが、キャンプインまであと20日というところで目標値に到達。ならば、さらに体に負荷を掛けてキャンプまであと数キロ増量する。もちろん、体重が増えればいいというわけではない。

 藤浪 脂肪ではなく筋肉で増やさないと意味がない。

 災い転じて福となす、でもあった。昨季は終盤から右肩の疲労が蓄積。シーズン後に右肩の炎症が判明し、国際大会「プレミア12」の出場を辞退した。秋季キャンプはブルペン入りを控え、全力でボールを投げられないぶん、体作りに専念。筋肉量を増やしての体重アップをテーマに、ウエート室にこもった。この日の鳴尾浜始動でも、約2時間はウエートトレに割いた。冬のハードワークの成果は筋肉に宿り、数字に表れた。

 入団1年目に86キロだった藤浪の体重は、年を追うごとに着実にアップ。単純な比較はできないが、同世代の日本ハム大谷も今オフに入ってから2カ月で体重約8キロ増に成功。100キロに到達しているという。球界を代表する若き剛腕2人が足並みをそろえるように体を大きくした。

 長身を生かすためのベスト体重とは。けがをしない頑丈な体を作るためには。試行錯誤は続く。4年目を迎えた藤浪は、まだ進化の途中だ。【桝井聡】