「一本背負い投法」で、初の沖縄本島に乗り込む。楽天安楽智大投手(19)が今日12日、沖縄・金武町に出発する。11日、2軍落ちした昨年にはたどり着けなかった舞台を前に「同行が決まったからといって、アピールしなければいけないことに変わりはありません。ここからが勝負です」と引き締めた。14日には初の対外試合(韓国ハンファ)があり、16日にも阪神との練習試合が待つ。待ちこがれた実戦機会に腕が鳴る。

 手応えはある。二人三脚で150キロ復活に取り組む与田投手コーチからは「フィニッシュが弱い。柔道の一本背負いのように」と、イメージのわく言葉で修正点を伝えられた。午前と午後に2度ブルペンに入った10日に続き、久米島最終日の11日にも80球。キャンプ中は可能な限りブルペンへ入り、入念にフォームを確認した。「下半身を使って、しっかり腕を振る。いいフォームで投げられれば自然と強い球がいく。毎日ブルペンに入って練習することが大事なんです」。突き出した左手を体に引きつける反動を使い、右の腰を回す柔道のような動き。反復練習で体に染みこませた。

 今季は開幕1軍ローテ入りに加え、シーズンで貯金5という大目標がある。与田コーチは「まだ段階を踏んでいる最中だが、それくらいやれるポテンシャルの持ち主」と能力を信じている。首脳陣の期待を背負い、開幕ローテ入り目指して腕を振る。【松本岳志】