ロッテは2月29日、拳銃の実弾を所持していたとして同21日に銃刀法違反で沖縄県警に現行犯逮捕され、処分保留のまま釈放されたヤマイコ・ナバーロ内野手(28)の球団としての処分を発表した。内容は3月中のすべての試合への出場停止に加え、パ・リーグとイースタン・リーグの公式開幕からそれぞれ4週間の出場停止と、さらに制裁金50万円の処分を科した。これによりパ・リーグ公式戦は4月21日まで出場停止となり、同23日のオリックス戦(QVCマリン)から出場可能になる。またイースタンは4月9日の楽天戦(利府)から出場できる。

 球団としては10年に同じドミニカ共和国出身の元中日ネルソン投手が、実弾を所持していたことで逮捕された件を参考に処分を決めた。来日3年目だったネルソンは3カ月間の出場停止だったが、ナバーロ内野手は来日間もなかったことを考慮。その他の球界の処分事例なども検討し、4週間の出場停止を妥当とした。この日、重光昭夫オーナー代行の了解を得た上で、熊崎勝彦コミッショナーに報告した。

 ナバーロ内野手には林信平本部長から内容が伝えられ、神妙な面持ちで聞いていたという。今後は、2日間ほどQVCマリンで体慣らしをした後、3月3日から2軍の練習に参加する予定でいる。また球団は先行事例を生かせなかったことを反省し、山室晋也社長に厳重注意、林本部長と松本尚樹編成部長に減給および厳重注意の処分を下した。新外国人の来日時の注意を徹底するなどして、再発防止に努める。

 ◆事件の経過 ナバーロは2月21日に沖縄・名護でオープン戦出場後、宮崎に移動するため、チームとともに那覇空港から鹿児島空港行きの便に搭乗しようとした。その際、保安検査場の手荷物検査でバッグに実弾1発(後に2発と判明)を隠し持っていたとして、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕された。沖縄県警・豊見城署で取り調べを受け、23日に身柄付きで那覇地方検察庁に送致。同日夜、処分保留で釈放され帰京した。24日に球団が事情聴取。25日にQVCマリンで謝罪会見を開き、その後は千葉市内で謹慎を続けている。