安心してください、開幕に間に合いますよ! 楽天今江敏晃内野手(32)が8日、西武第2球場で行われた教育リーグの西武戦に「3番三塁」で先発出場。軽快に守備をこなし、3打数1安打と復調をアピールした。1月31日に左ヒラメ筋炎で1軍キャンプから離脱。今季ロッテからFA移籍で加入するも、出遅れていた。故障後、梨田昌孝監督(62)らの言葉を胸に焦らず調整。万全な状態で1軍昇格を待つ。

 迷いなく振りぬいた。6回無死一、二塁。今江が打席で左足に力を込める。カウント0-1からの2球目。西武野田の低めのスライダーに踏ん張り、体勢を崩されない。鋭い軸回転のスイングでとらえると、打球はあっという間に中前で弾んだ。3打席目での安打に「会心の当たりでしたね。打撃の形も良かった」と笑顔がはじけた。

 ケガの不安を一掃した。この日は「3番三塁」で先発出場。6日の教育リーグヤクルト戦で守備に復帰したばかりだったが、鋭く守備の1歩目を踏み出すなど実戦勘は戻りつつある。6回に代走を送られるまで3度の守備機会を軽快にこなし「初回の方は地面がぬかるんでいたけど、滑る中でもやれたというのは大きい。足の状態はほぼ万全です」と手応えを口にした。

 感謝がある。1月31日に左ふくらはぎのヒラメ筋炎で離脱。「悔しかった。チームが変わって、自分の中では1軍キャンプでグイグイやっているイメージだったのに。それが新天地でいきなりケガしてしまって」と出ばなをくじかれた。失意の中で梨田監督、星野副会長らの言葉が支えとなった。「『やってしまったのはしょうがない。じっくり治せ』と言ってもらった。あれが救いになった。球団の温かさを感じた」と気持ちが切り替わった。

 開幕までの復帰は、ほぼ青信号だ。現在の状態は「8割、9割。あとは打撃の状態を上げるだけ」と話す。平石2軍監督も「順調すぎるくらい。投手の球も見られている。あとはベースランニングとか強度を上げるだけ。そろそろ上に合流できる」と太鼓判を押す。

 このまま行けば、1軍昇格は間近。今江は「今は毎日が本当に楽しい。楽天の雰囲気はすごく良い。1つになれた時に13年のような強さになるのが分かる。早く1軍の輪に入れるように頑張ります」。頼れる新戦力はとにかく明るく、準備を整えている。【島根純】