日刊スポーツ新聞社の記録担当・斎藤直樹記者が、米国流データ指標「セイバーメトリクス」を用いて、今季のタイトルホルダーを予想する。本日はセパ両リーグのセーブ王。チームの守護神の頂点に立つのはこの男だ!

 セ・リーグの最多セーブは山崎康晃(DeNA)だ。昨年のWHIP、DIPS、K/BBがセ1位(救援30イニング以上)。あとはチームが9回にリードして山崎に回すというゲーム展開をどれだけ作れるか。ラミレス野球に期待だ。

 パ・リーグの最多セーブはサファテ(ソフトバンク)だろう。昨年のWHIPパ1位(救援30イニング以上)。さらにコントロールも意外によく、それほど四球も出さない。チームも強いので、セーブ機会に恵まれる。

 ◆セイバーメトリクス 米野球学会の略称「SABR」(セイバー)と測定基準を意味するメトリクスを組み合わせた造語で、野球を客観的データで分析し、選手の評価を行ったり、戦術を組み立てる試み。メジャーでは浸透しているデータ指標。

 ◆WHIP(Walks+Hits per Inning Pitched) 被安打と四球を足して投球回で割った数値。1イニングあたり何人走者を許したかを算出。低ければ低いほど優秀で、昨季のセ・リーグ平均は1.273。パ・リーグ平均は1.311。

 ◆K/BB(Strikeout to Walk Ratio) 奪三振÷与四球で算出。四球が少なく、三振を奪える投手の数値が高くなる。高いほどよい。昨季のセ・リーグ平均は2.34。パ・リーグ平均は2.15。

 ◆DIPS(Defense Independent Pitching Stats)守備力を除いた投手の仮想防御率。数値が低いほど優秀。米在住の弁護士補助員ボロス・マクラッケンが考案した。年ごとの変動が従来の防御率より小さい。{(被本塁打×13)+(与四球-敬遠+与死球)×3-(奪三振×2)}÷(投球回)+3.12。昨季のセ・リーグ平均は。3.62、パ・リーグ平均は3.84。