オーダー変更が的中した。DeNAアレックス・ラミレス監督(41)が今季初めてロペスを5番に下げ、昇格した井手を3番スタメンに抜てきした打線が機能した。井手が4回に同点1号ソロ。ロペスは4回の勝ち越し1号2ランから来日初の3打席連続本塁打と大当たり。3年ぶりの1試合5発、今季初の先発全員安打2桁得点を呼び連敗を5で止めた。

 8日の試合後、1割5分1厘で打撃成績最下位という極度の不振に悩むロペスを監督室に呼んだ。今季は3番に据えたが打点もない。「元の5番に戻ってリフレッシュしてほしい」と伝えた。毎年必ず1カ月程度の長いスランプがあることは承知していた。「それが今ということ。試合に出ていれば大丈夫。これで大きく目を覚ましてくれたと思う」と心配はしていなかった。ただ脱出の糸口を与えた。当面は5番で使う方針だ。

 ロペスも監督の思いを理解していた。「5番は去年もやっていた。プレッシャーを感じずにできたのかな。3番は常にヒットを打って打点を挙げないといけない難しい打順」と感じていた。試合前にも会話を交わしリラックスできた。

 井手の起用もはまった。「対左でいい打撃をしている。石川だから、いいタイミングで上がってきてくれた」と迷いなく送り出すと、同点ソロ。「流れをもってきてくれた」と喜んだ。作戦はデータと経験半々という。この起用がまさに過去の実績と現在の状況を加味した結果だった。エースが打って中軸が打っての大勝。「今日がターニングポイントになってくれると信じている」と反攻を誓った。【矢後洋一】

 ▼DeNAは4回に井手、ロペス、投手の山口が本塁打。投手を含んだ1イニング3発は03年7月20日巨人が横浜戦の3回(上原、ペタジーニ、清原)に記録して以来、13年ぶり。また、ロペスは4回から3打席連続本塁打。DeNAで1試合3本は13年4月7日ブランコ以来となり、1試合で3打席連発は04年7月17日多村以来。