ソフトバンク柳田が、西武投手陣の執拗(しつよう)な内角攻めを打ち返し、2点適時打とした。チームの連勝は3でストップしたが、意地の一打。左腕武隈に代わった8回1死二、三塁。内角高めを振り抜き、右前にライナーではじき返した。「チェンジアップですかね。(打撃は)難しいですね」。2戦連続の適時打にも笑顔はなかった。

 先発十亀にはサイドハンドから内角をえぐられ、3打数無安打。3打席すべて、半分以上内角を攻めてきた。「制球も球のキレもあって、そりゃ打てんなと…」。終わらない厳しい攻めを克服するためにも、ロングティー打撃などでバットを内側から出すように修正を続けている。

 藤井打撃コーチは「今日は練習からよかった。少し(球との)距離ができるようになってきた。明日以降も期待できる。(内角を)辛抱すればいずれ甘い球が来る」と復調を感じ取っている。実際、3回の中堅への大きな飛球は高め直球をフルスイング。紙一重だった。

 5月3、4日の博多どんたくに先立ち、「どんたく博多デー」として行われた。試合前にはどんたく隊がグラウンドを練り歩くにぎやかな雰囲気も勝利で飾れず、2位ロッテとゲーム差なしに迫られた。柳田は両リーグトップの29四球を選び、出塁率はリーグトップの4割4分2厘。我慢の数字を出しているが、打率2割4分1厘、2本、9打点とさみしい数字が並ぶ。3連覇へ、やはり柳田の復調が不可欠だ。【石橋隆雄】