覚せい剤取締法違反(所持、使用、譲り受け)の罪に問われた元プロ野球選手清原和博被告(48)の初公判が17日、東京地裁(吉戒純一裁判官)で開かれた。
(罪名)覚せい剤取締法違反 (被告人)清原和博
第1 事実関係
本件各公訴事実は、当公判廷において取り調べ済みの関係各証拠により、その証明はいずれも十分である。
第2 情状関係
1 覚せい剤への親和性・依存性・常習性は顕著
被告人には、覚せい剤の前科はないものの、遅くとも現役引退後の平成20年過ぎ頃から覚せい剤を使用し始め、その後も継続して本件犯行に至るまで覚せい剤を使用し続けていたというのである。
被告人は、譲渡人である小林被告に対し、「ありますか」と聞くだけで、直ちに覚せい剤を購入することが可能であった旨述べており、被告人が小林被告との間で、頻繁に覚せい剤譲受のやりとりをしていたことは明らかである。
また、被告人の両腕の肘内側には複数の注射痕様のものが認められることから、被告人が長年覚せい剤を常用していたことがうかがわれる上、自宅からは、覚せい剤成分が付着した注射器のみならず、覚せい剤が詰められたガラスパイプも発見されており、被告人にとって、覚せい剤の使用が生活の一部となっていたものと言える。
これらのことから、被告人の覚せい剤への親和性、依存性及び覚せい剤使用の常習性は極めて顕著である。
2 動機や経緯に酌むべき事情がないこと
被告人は、プロ野球を引退した後に目標を失い、その心の隙間を埋めるために覚せい剤を使用した旨を述べている。
覚せい剤は、その薬理作用により、使用することで心身に異常を来すおそれがあり、二次的な犯罪を引き起こしかねない危険な薬物である。
また、一度手を染めたら抜け出すことが非常に困難な強い依存性があり、さらには、その購入代金が暴力団等の資金源となっていることは公知の事実である。
そのような覚せい剤を使用することは、いかなる理由があろうとも決して許されることはなく、心の隙間を埋めるためなどという動機に、酌量の余地は全くない。
ましてや、被告人は、プロ野球選手引退後も、タレント活動を通じて注目される存在でありながら、違法な薬物との関わりを絶つことなく生活を続け、本件各犯行に及んだのであるから、犯行に至る経緯にも酌むべき事情など全くない。
3 再犯可能性は高い
前記のとおり、被告人の覚せい剤への依存性、親和性、長年常習的に覚せい剤を使用してきた状況からすれば、覚せい剤から抜け出すことは極めて困難であると言わざるを得ず、同種再犯に及ぶ可能性は高い。
4 他方で、被告人には、知人や友人が被告人の今後の生活を支え監督することを約していること、被告人自身、覚せい剤との断絶を誓っていることなどの被告人に有利な事情も存在する。



