2020年東京五輪へ届け! 全セの4番、DeNA筒香嘉智外野手(24)が、2試合連続の本塁打で本拠地・横浜スタジアムを沸かせた。2回に横浜高の先輩、ロッテ涌井から右翼席へライナーで先制ソロを放り込んだ。明日18日から再開するペナントレース後半戦、さらにその先に続く国際大会へ弾みをつけた。

 ハマスタがうなった。筒香が弾丸ライナーを右翼席に突き刺した。2回無死、本拠地の大歓声に迎えられて打席に立つ。マウンドには横浜高の先輩、ロッテ涌井。初球の内寄り高め139キロ直球をひと振りで捉えた。「高校の先輩ですし、絶対にストレートを投げてくれるだろうなと思いました。感触は良かったです。自分たちのスタジアムで打つことができて気持ちよかったです」。プロ通算61本目の“ハマスタ弾”を喜んだ。

 MVPを獲得した第1戦に続き、この日も夢舞台で躍動した。第2戦でも敢闘選手賞に選出され賞金100万円、2試合を通して最も活躍した選手として「Be a driver賞」も獲得。トップ選手たちが集う中でも強烈な輝きを放った。「ホームランダービーは残念でしたがオールスターの雰囲気を楽しめた」。前夜、不発に終わった同ダービーは準決勝敗退も豪快な3連発でスタンドを沸かせた。

 お祭りムードのオールスターを満喫した。明日18日からは再び真剣勝負が待ち受ける。この横浜スタジアムに歓喜をもたらすため主将として突き進む。「これだけ応援してもらっている。明後日がメイン。違う雰囲気になる。勝って恩返しをするためにいい準備をしたい」とリーグ3位からリスタートする勝負の後半戦をしっかりと見据えた。

 そして、その先は世界へと続いていく。来年3月のWBCに出場する小久保ジャパンでも「4番候補」でメンバー入りは確実。24歳らしからぬ風格が漂い始めた主砲は「プレミア12を一緒に戦ったメンバーと同じグラウンドでプレーすると悔しさを思い出す。同時に次の大会への気持ちも高ぶる」と、内に秘めた思いを口にした。

 現時点では未確定な部分もあるが、今季終了後は温暖な気候を求め国外でのトレーニングを行う予定だ。WBCを見据え、例年とは異なる調整プランも頭の片隅にある。来年3月、そして本拠地開催が有力な東京五輪へ、筒香が世界をうならせる。【為田聡史】

 ▼筒香が2試合連続本塁打。全セの4番では3試合目で初アーチとなった。これで筒香は初出場の15年<1>戦から4試合連続で打点をマーク。球宴の連続試合打点は01年<1>戦~02年<2>戦松井(巨人)07年<2>戦~10年<2>戦山崎(楽天)の5試合。過去に4試合以上は5試合の2人を含め王(巨人)や山本浩(広島)ら10人、11度記録(松井が2度)されているが、初出場の試合から4試合連続打点を記録したのは筒香が初めてだ。

 ◆筒香の球場別本塁打 今季は22本のうち横浜スタジアムで20本を記録。横浜スタジアム以外で打ったのは3月27日の1号と4月14日の6号だけで、7号からは16本続けて本拠地。横浜スタジアムでは2・15試合に1本ペースで、08年村田がマークした同球場シーズン最多記録の29本を更新しそうな勢い。通算でも他球場の28本に対し、横浜スタジアムでは倍以上の60本。