打者としてオールスターMVPに輝いた日本ハム大谷翔平投手(22)が、来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で二刀流に挑む夢プランが浮上した。日本野球機構(NPB)は17日、侍ジャパンが11月にメキシコ代表、オランダ代表と東京ドームで強化試合を行うと発表し、会見に出席した小久保裕紀監督(44)が、二刀流起用を示唆した。大谷は14年の日米野球、昨年のプレミア12で侍ジャパン入りしているが、どちらも投手に専念した。国際舞台で投打両方で起用されれば、初めてのことになる。

 日本球界の至宝が、ついに国際舞台で本領を発揮するかもしれない。侍ジャパン小久保監督が、大谷の代表での二刀流起用を示唆した。

 小久保監督 今の時点では、代表に打者として入る、それだけのものは十分結果を残しているという風に認識しています。投げるのも打つのも、非常に日本球界に今、夢、希望を与えている選手なので、代表でもそういう活躍を期待しています。

 4年目の今季はここまで、8勝4敗、防御率2・03、球界最速記録となる163キロをマークした投手に加え、打者としても3割3分1厘、10本塁打と好調。右手中指のマメがむけた影響で打者出場となった前日16日までの球宴でも、第1戦のホームランダービーで優勝すると、2戦目は球宴初アーチを含む3安打2打点の活躍でMVPを獲得。バットでも、規格外のポテンシャルを秘めていることを証明してみせた。

 二刀流の調整、出場は、大谷本人の努力はもちろん、栗山監督をはじめとする日本ハム首脳陣、スタッフのサポートがあって進んできた。小久保監督も「栗山監督とも、日本ハム球団とも話をしていかないといけないと思う」と慎重に言葉を選んだ。だが今年3月の台湾との強化試合でも、日本ハム側は登板を確約できない投手としては辞退したが、野手では出場可能であると申し入れをした経緯もある。栗山監督も「2つで頑張ってきて、ジャパンでそれを必要と言われる、評価をされることは大事。本人がやってきたことを認めてもらって、うれしい」と話しており、WBCの二刀流出場に関しても、コンディション、調整法に問題がなければ後押しするものとみられる。

 大谷は今日18日の楽天戦(札幌ドーム)へ向け、この日は球宴出場した横浜から北海道へと移動した。「そこ(代表)を基準に(日常から)やっているわけではないので。自分がどういう風に投げたいのか、打ちたいのかなので」と、チームでの戦いの延長に侍ジャパンがあるという考え。まずは首位ソフトバンクを6ゲーム差で追う、後半戦に集中する。