ソフトバンクが今季最終戦を終えた。工藤公康監督(53)2年目の戦いは、83勝54敗6分け。悔しい2位に終わったが、すでに視線はクライマックスシリーズに向いている。この日敗れたものの、先発バンデンハークは5回10奪三振の好投。右手薬指骨折からの復活をにらむ柳田は、6日から1軍合流する予定だ。

 工藤監督が勝負の短期決戦に向け、決意を新たにした。最終戦で黒星を喫し、83勝54敗6分けの2位でシーズンは終了した。「(CSは)向こうも必死。自分たちも熱い思いで戦っていく。短期決戦は何が起こるか分からない。自分たちが勝つという思いでやるのが大事」。優勝に匹敵する成績で、CSを勝ち抜けば、3年連続日本一も見えてくる。

 故障者続出により失速の流れを食い止められず、さらに日本ハムに勢いで圧倒された。「選手たちはがんばってくれた。これだけの貯金を作っての2位。素直に日本ハムの強さを認めないといけない。7月の初め頃から、うまくいかなくなったが、僕自身がうまく修正できなかった。僕が引き出してあげられたら、変わったのかな、と思う」。相手の強さを認め、さらに自らのタクトを反省した。

 ロッテとのCSファーストステージは8日から始まる。優勝は逃したが、マイナス要素ばかりではない。右手薬指を骨折した柳田が今日3日からフェニックスリーグで実戦に復帰する。3試合に出場し、福岡に戻るプラン。順調に行けば、6日から1軍本隊に合流する見通しだ。藤井打撃コーチは「6日の練習から参加する感じだ。今の状態なら、(CSの)ファーストから行ってもらえたら、と思う」と話した。打線爆発の鍵を握る男の復活はとてつもなく大きい。

 和田の左肘痛は不安要素ではあるが、バンデンハークが5回で10三振を奪う投球を見せた。工藤監督は「腕も振れているし、本人も不安がなくなってきているのでは…」と評価した。チームはこの日、福岡に戻り、2日間休養を取る。英気を養い、決戦の時を待つ。【田口真一郎】