ロッテの千賀対策は実らなかった。初回に清田、デスパイネのソロ2発で先制した。幸先よかったが、2回以降は散発2安打。7回まで投げられ、12三振を献上。伊東監督は「主導権は取れたが、追加点を取れなかった。シーズンと同じ」と残念がった。

 先月末にファーストステージの相手がソフトバンクに決定。今季4敗の千賀を想定し対策を重ねた。打撃投手を近いところから投げさせるだけでなく、若手の早出練習ではマシンを140キロ以上に設定。速球に振り負けないことを主眼とした。いつもは試合当日に伝えるスタメンも、2日前に伝達。考える時間を与えた。清田は「初球は100%、外の真っすぐ」とイメージ。予想通りの初球には手が出なかったが、2球目を先制ソロ。指揮官のもくろみが成功しかけた。

 だが、この日は変化球に苦しんだ。スライダーでカウントを稼がれ、追い込まれるとフォークに空を切る打者が続いた。千賀との好相性で5番に抜てきされた井上は、2三振を含む3打席凡退。「直球を捉えようとしたんですが」と悔やんだ。伊東監督は「明日、切り替えてやるだけ」。勝つしかない。【古川真弥】

 ▼ロッテ清田が初回先頭打者本塁打。プレーオフ、CSの初回先頭打者本塁打は14年ファイナルSの柳田(ソフトバンク)以来で9人目。ロッテでは初めて。

 ▼デスパイネが2発。プレーオフ、CSの1試合2発は12人、13度目の最多タイ。ロッテでは07年第2Sの里崎以来2人目。