体重100キロ超えで160キロ!? 中日小笠原慎之介投手(19)が日本最速を更新した日本ハム大谷に“挑戦状”だ。球速勝負は無理としながら、平均球速を上げること、160キロに見える球質を手に入れることを目標に掲げた。オフはよく食べ、よく鍛えて肉体のスケールアップに挑戦する。この日は秋季練習休日で、体を休めた。

 「ありえない…」。前日16日、大谷の165キロの報をスマホで確認した小笠原は絶句した。プロ1年目の最速が150キロだった左腕も刺激を受けた。

 「大谷さんは道を開いてくれている。僕もそれくらいやりたい。下の選手がやっていかないと」。快速右腕とスピードガン勝負をする気はない。19歳左腕の目指すところは、簡単に打たれない究極の直球だ。

 「今年の平均球速は知りませんが、147~8キロを平均にしたい。今年は途中で130キロ台とかもあったので。勝負どころで150キロを出せるような。160キロは無理でも、そう思わせる球を目指したいです」ときっぱり言った。

 イメージはある。現在は球質を高めるためのフォーム固め中。秋季練習では走り込み、投げ込みに連日汗を流す。26日からは沖縄投手キャンプに入り、同様のメニューを継続する。加えて、個人的に本格的なウエートトレーニングにも挑戦予定。体重94キロだが「好きなように食べて、たくさん鍛える。その結果の体重でやる」。人生初の100キロ超えでも問題なしと認識している。

 レンジャーズ・ダルビッシュや大谷もウエートトレで体を大きくして、スケールアップに成功した。小笠原は体重増だけが目的ではない。まだ成長期のため、自然にモリモリ食べて、練習で筋肉量も増やして、排気量アップにつなげる。2勝6敗で1年目を終えた大器が、必死に大谷の背中を追いかける。【柏原誠】