平成の大エースが近未来の巨人のエースを育てることを熱望された。巨人斎藤雅樹2軍監督(51)の野球殿堂入りを祝う会が11月30日、都内のホテルで行われた。プロ野球記録の11試合連続完投勝利などの偉業を達成した右腕の功績をたたえ、そうそうたる面々が集結。同会の発起人は長嶋茂雄終身名誉監督、王貞治現ソフトバンク球団会長、原辰徳前監督、堀内恒夫元監督らが名を連ね、350人が出席した。

 OBらから期待されたのは、第2の斎藤の育成だった。今季は殿堂入りを果たすとともに指揮官としてもステップアップ。2軍監督として21年ぶりにファーム日本一に導いた。侍ジャパンU23(23歳以下)ワールドカップの代表監督として世界一に輝いた。王会長は陽気な人柄を指導者としての天賦の才ととらえた。「指導者としても楽しみ。練習はきついもの。そのきつさを彼の明るさで選手の気持ちを和らげさせ、耐えさせているのは彼の良さ。指導力はチームの成績に表れている」と認めた。

 今後は世代交代を求められる巨人での若手育成がミッションとなる。老川オーナーは通算5本塁打の打撃成績も紹介し「大谷選手が二刀流で騒がれていますが、もし斎藤さんも挑戦していたら成功していたのでは」と話し「今日の巨人軍に斎藤さんみたいな方がいらっしゃれば」と後継者育成を期待した。

 平成の大エースは周囲に感謝し、誓った。「今の若い選手を野球を上手にさせて、強いジャイアンツをつくりたい。来年以降、若手を1軍に送り、高橋監督を胴上げできるように」。トレードマークの穏やかな笑顔を見せ、決意を示した。

<主な出席者>

 日本野球機構コミッショナー・熊崎勝彦、経団連名誉会長・御手洗冨士夫、読売新聞グループ本社会長・白石興二郎、同社長・山口寿一、巨人監督・高橋由伸、巨人OB会会長・柴田勲、金田正一、中西太、侍ジャパン監督・小久保裕紀、フリーアナウンサー・徳光和夫、槙原寛己、桑田真澄、高橋尚成、駒田徳広、石井浩郎、元木大介、川口和久(敬称略)