侍の夢、あきらめがたし…。中日大野が来年3月の第4回WBCの日本代表メンバー入りについて「28番目でも滑り込みたい。補欠でもいい」と“逆転”の望みを捨てていない胸中を明かした。

 昨年のプレミア12など小久保ジャパンで3度招集されている左腕。3年連続2桁勝利を挙げていた1年前なら代表入りは濃厚といえた。今季は7勝にとどまり、左肘痛での離脱もあった。11月の強化試合に呼ばれず、20日に先行発表された主力18人にも入らなかった。

 「小さい頃から見てきた夢舞台。WBCの3文字にはあこがれや重みがある。18人も光栄、誇りと言っていた。開幕前の大事な時期なのに、あのレベルの選手でも一緒なんだと思った」。チームが最下位に沈み、主戦の大野には来季、重い責任が託されている。だが代表への思いは別格だ。

 11月の強化試合で侍入りした同僚の岡田が持つWBC公式球でキャッチボールも行い「問題ない」と自信はゆるがない。代表選考の材料は今年のプレーが重視され、最終の登録期限は2月6日。アピールの場はほぼ残されていない。「難しい状況だけど、その中で大野が必要と思っていただいて滑り込めたら。自分はやることをやる。静かに待つだけです」。口ぶりは真剣味を帯びていた。【柏原誠】

 ◆大野と代表 12年11月キューバとの強化試合が初めて。故障した同僚山内の代替で招集。小久保ジャパンでは3度選出された。13年11月の台湾との強化試合。昨年のプレミア12。今年3月の台湾との強化試合。佛教大4年時には大学日本代表でハーレム国際大会に出場した。