今季、広島の25年ぶりリーグ制覇に大きく貢献した赤松真人外野手(34)が28日、マツダスタジアムで会見を開き「胃がん」を患っていることを公表した。15日に個人的に受診した医療機関で判明。初期段階で生死には関わらないが、手術が必要だという。来年1月上旬に広島市内の病院で手術を受ける予定。復帰時期は見えないが、球団もサポートを約束した。

 いつもの笑顔が違和感を消していた。今思えば合点がいく。19日、マツダスタジアムに来た赤松はなぜかスーツ姿だった。契約更改は終わっている。イベントはなく、取材でもない。帰り際、新井のもとへ歩み寄ると、新井の表情は曇り、神妙な様子で声をかけていた。いつもの笑顔が違和感を消していたが、そういうことだったのか…。

 チームが勝てば笑い、たとえ負けても、笑っていた。根っからのポジティブ思考がチームを明るく照らす。若手とベテラン、選手とコーチ陣の橋渡し役でもあり、キクマルコンビも頼りにする兄貴分。記者に対しても、どんなときでも丁寧に対応してくれる。赤松の周りにも、笑顔がある。

 先週も球場の駐車場で後輩の新車を見て「センス悪っ!」という突っ込みを入れて笑わせた。すでに胃がんと宣告された後。いつもと変わらない笑顔だった。

 また来年、グラウンドで赤松の笑顔に会える。そう信じている。【広島担当=前原淳】