体操王子・楽天ドラフト1位の藤平尚真投手(18=横浜)が19日、Koboパーク宮城の室内練習場で新人合同自主トレ2度目のブルペンに入った。直球、スライダー、シンカーなど立ち投げで20球投じた。見守った小山伸2軍投手コーチは「センスがありそうな感じ。ボールの強さは(ヤンキース)田中に似ている」とG難度を与えた。

 バッテリーを組んだ“審査員”塚田ブルペン捕手も「ナイスボール」と声を何度も上げ、「回転がいい。ピュッ、ピュッと球が来る感じ。天性のものか、腕や手首がしなやか」と「高校ビッグ4」の華麗な演技にうなずいた。

 幼少期に下地を作った。小学校6年間、体操を習っていた。鉄棒やマット運動などで柔軟性を自然と身に付けた。プロ入り後も、“体操”は続けた。午前の練習前、食後、就寝前にストレッチポールなどで下半身や胸回りなどを毎日ケア。右手の親指は、右手首に付くほど柔らかい。藤平は「プロに入って筋肉を付けながらも、この柔軟性は維持したい。でもちょっと鍛えればみんな出来ますよ」と笑いながら、平気で肩甲骨をグルリと回した。

 仙台市内の「泉犬鷲寮」にあるパソコンを利用し、自身の投球動画を50回以上も確認している。「高校時代からインステップしてしまう癖がある。その数センチのズレで、投球がばらつく」と“演目”の改善に余念がない。皆を圧倒する投球で、金メダル級の活躍を目指す。【栗田尚樹】