また強打のラミレスチルドレンが現れた。DeNAのドラフト9位ルーキー佐野恵太内野手(22=明大)が17日、ヤクルトとの練習試合(浦添)でプロ初本塁打を放った。8回2死無走者から両翼98メートルの球場で逆方向への1発。パワーを見せつけ「力強く振れている。日々の練習の成果が出た。少ないチャンスをものにして1軍に食らい付きたい」と初々しく振り返った。

 ドラ9ルーキーが、オールドルーキー28歳菊沢の外角低めフォークをすくい上げた。高く上がった打球は、左翼ポール際に飛び込んだ。「入ると思わなかった。レフト線を抜けるかなと思って全力で走った。(チームでは)一番下の順位でプロ入りしたので下からはい上がるつもりで下克上したい」と持ち味の長打力をアピール。ラミレス監督は「打撃練習からいいパワーを見せていた。そこまで驚きはないよ」と、高卒のドラフト5位細川に次ぐ新人アーチに満足そうだった。

 ダイエー時代に首位打者、盗塁王を獲得したソフトバンク佐々木誠3軍監督のおいだ。広陵高3年から明大1年まで捕手も、伯父譲りの打力で勝負するため内野手に転向。高校時代の通算本塁打は練習試合を含めても9本だったが、パワー増を狙い、1食で1キロもの米を食べて体重を20キロも増量。明大ではリーグ戦だけで6本塁打の強打者に成長した。

 今日18日の中日戦(北谷)で6番左翼の先発出場をゲットした。「次のチャンスをもらえるよう自分で道を切り開きたい」。ドラフト84番目指名男の下克上物語が始まった。【斎藤直樹】