巨人に待望のニューピースが加わる。高橋由伸監督(41)が17日、2軍調整中のドラフト1位吉川尚輝内野手(22=中京学院大)を20日のヤクルト戦(神宮)で1軍に初合流させるプランを明かした。右肩の違和感も癒え、正二塁手候補の現状をチェックする。下半身の張りでファーム調整中の陽岱鋼外野手(30)は今日18日のイースタン・リーグ開幕戦のヤクルト戦(ジャイアンツ球場)で初実戦に臨むことも決定。開幕前に新顔がそろいつつある。

 ようやく“金の卵”を見る時が来た。帰京前の福岡空港。高橋監督は吉川尚について「順調に行けば20日のヤクルト戦で(1軍に)上げる。まずは1試合。どれぐらいできるかを見てだね」との見通しを示した。1月の新人合同自主トレで右肩の違和感を訴えてからファーム暮らしを続けてきたが、対外試合5試合で14打数5安打4打点。患部も回復したため、開幕前に1軍に呼ぶことになった。

 昇格というより、現状の力量を確認する意味合いが強い。正二塁手は定まっておらず、吉川尚も候補の1人だ。だが長いシーズンを見据えて、開幕1軍に向けて急ピッチで調整させるよりも、万全に準備をさせてレギュラーを競えるまでに引き上げる考えだ。

 吉川尚も現在の自分の立ち位置を自覚する。ジャイアンツ球場での練習後「3月中に治るとは思っていなかった」と語った。予想以上の早期回復で、入団時に目標とした「開幕1軍」を実現させたい思いは強い。それでも「(2軍は)明日開幕だし、しっかりアピールしたい。1軍にいつ呼ばれてもいいように準備したい」と2軍で結果を残すことを最優先とした。

 2月9日に下半身の張りで戦線離脱した陽も今日の2軍戦で移籍後初実戦に臨む。日本ハムからFA移籍し、責任感もある。1番中堅が有力で「かっ飛ばしたい。先頭打者弾ね。そしたら(高橋)監督も喜ぶかな」とリップサービスした。首脳陣は実戦で状態を見定めてから1軍に昇格させる意向。優勝への使者といえる陽の開幕1軍への道筋は見えている。期待の新戦力たちが、いよいよ1軍の舞台に上がる。【浜本卓也】