待ってろ、侍!! 今日11日の巨人3連戦初戦に先発する広島野村祐輔投手(27)が10日、マツダスタジアムで前日調整を行い、WBC組撃破を誓った。巨人先発菅野とは昨年8月5日以来の投げ合いとなる。打線では昨季9打数4安打の捕手小林を警戒する。緒方広島の大黒柱として、侍戦士のそろう巨人をたたき、チームを8連勝へと導く。

 先発投手陣が顔をそろえた練習風景は、いつもと変わらない。だが、キャッチボールなど調整を行う野村の心境は昨季までと違った。先発陣の顔ぶれは若く、この日参加した先発5投手の中で野村が最年長。今季は先発陣の主将を任され、大黒柱としての期待が高い。若い先発陣を引っ張っていく自覚が右腕にはある。

 「(若手が)すごくいい投球をしていた。チームもいい流れで来ているので、継続したい。全員で力を合わせて頑張りたい」

 9日までのヤクルト3連戦は加藤、岡田、九里が好投した。年下投手の姿は刺激になっている。大黒柱として、この流れを断つわけにはいかない。

 今季初登板の4日中日戦は右足首付近に打球を受けながら7回1失点と好投した。7連勝でバトンを受ける2度目の登板は、広島と同様に好スタートを切った巨人が相手。先発は巨人のエースであり、WBC日本代表のエースでもある菅野。「相手のエースなので、最少失点でいかないといけない。ある程度意識はするけれど、自分の投球を心掛けたい」。

 球友との再戦もある。広陵時代にバッテリーを組んだ小林もWBCに出場した。急成長を見せた大会後には「お疲れさま」とメールで労をねぎらった。ただ、シーズンに入れば敵。昨季は9打数4安打、打率4割4分4厘と打たれただけに要警戒。「チームが勝つための投球をする」と静かに闘志を燃やす。

 畝投手コーチは大事な6連戦初戦を右腕に託した。「巨人も勝っている中だけど、変わりなくやって欲しい。自分の形で恐れず、どんどん攻めの投球をして欲しい」。開幕投手ジョンソンに続き、抑え中崎も離脱となった。チームの窮地を救ってこそ、真の大黒柱だ。【前原淳】